topTOP 寄稿 根拠があろうがなかろうが、「自分の得意分野・守備範囲」をアピールして軸足にしてしまった方が勝ち、という話

根拠があろうがなかろうが、「自分の得意分野・守備範囲」をアピールして軸足にしてしまった方が勝ち、という話

寄稿 2019.10.10

「守備範囲」があるかないかって、物凄く大きいと思うんですよ。

皆さんこんにちは。しんざきと申します。本業はシステムエンジニアの中間管理職・三児の父でして、15年近く「不倒城」というブログを書いています。ゲームとケーナとダライアス外伝とキャベツ太郎が好きです。よろしくお願いします。

今から、仕事の上での「守備範囲」の話をしたいと思います。

20年くらい働いていまして、随分な数のビジネスパーソンとお会いしてきたんですが、やはり上手いこと働いて自分の地歩をしっかりと確保できている人もいれば、あまりいい感じに仕事が出来ていない人もいます。そりゃあもう色々です。

で、色んな人を見ている内に、働いていく上でのすごーく重要なポイントの一つ、大げさに言うと明暗を分ける要素が、「早い内に自分の守備範囲を見つける・決めることが出来たか」にあるような気がしてきています。

勿論、それだけで全部が決まるってわけじゃないんですけどね。

 

「若い内は仕事を選り好みするな」っていう人いますけど、アレ、嘘です。

仕事における「守備範囲」って、例えば「専門分野」とか「スペシャリスト」といった話とはちょっと違っていて、それが特殊なスキルである必要は必ずしもないんですよね。

要は、「自分はこれについては自信がある」「これ回りのタスクであれば人より上手く出来る」という自信がもてる分野。

そこに自分の軸足を置いて、そこを中心に仕事が展開出来る分野。

それは抽象的なものでも具体的なものでもよくって、例えば「状況を検討して、課題や問題を発見する能力」とか「色んな人の利害関係を調整出来る能力」というようなヒューマンスキルでもいいですし、「Python」とか「RDB」みたいな技術スキルでも、「営業」とか「経理」とかの仕事の分野でもいいんです。

自分に、何か「これは人よりも上手く出来る」というものがあれば、それは一本の「軸」になります。そこに関係がありそうな仕事を自分でとりに行くことも出来るし、そこをスタート地点にしてもっと自分のスキルを高めていくことも出来るし、そこを中心に色んな情報を集めていくことも出来る。

とにかく、「一本軸足があるかどうか」って、仕事をしていく上ではものすごーーーーーーい強みになるんですよ。
これは、フリーランスだろうが会社員だろうが同じです。

「軸」を持っている人は強いです。当たり前ですが、仕事って出来る人のもとに集まるもんでして、人より得意なことがあればそれに関連する仕事を担当する機会も必然、増えます。

仕事をこなしていれば勿論スキルもあがりますし、一方で仕事をこなして自分の価値を上げていって、上司や発注者にその価値を認めてもらえれば、多少は仕事の選り好みも出来るようになります。更に重要なこととして、「得意なものをきちんと定めて、それに関わるタスクを集中してやっていけば、自分の苦手なことをする機会が必然的に減る」というシンプルな事実もあります。

「若い内は仕事を選り好みするな」っていう人いますけど、アレ、嘘です。

若い内から、環境が許す限りザクザク仕事の選り好みをしていくべきだし、苦手なことは可能な限り人に押し付けていくべきだと、少なくとも私は思います。

 

手前みそな話で恐縮なんですが、私自身の場合、生来「細かい作業・事務作業・定型作業」というものが極めて苦手です。

一方で、「論理構成力が必要な作業・分析力が必要な作業」については得意だという自負、ないし思い込みがありましたので、前者が発生しそうな時には可能な限り「私こういうの得意です!こういうタスクないですか!」ということを徹底的にアピールすることに努め、結果的にはDB構築だとか、テーブル設計だとか、SQL作成だとか、今の私の「軸」の基盤になるようなタスクにありつくことが出来ていました。

勿論、「若手のアピールを聞いてくれる上司がいた・そういう上司を見分けることが出来た」ということは大きいんですが、大筋、「若手のアピール」というものに寛容な大人は案外多いものです。
かつ、若手の能力なんてどれも似たり寄ったりなので、「あいつにやらせてみろ」というタスク振りに、大した理由など必要ないという事情もあります。

結果的には、苦手な分野からは逃げまくって「オレこれ得意!これやらせて!」って言いまわったことによって、割と楽しく飯食えるようになったということは言えるのではないかと思っています。

人生、苦手分野を克服することに無駄な努力を費やす程長くはありません。

得意分野を伸ばすことにこそ注力するべきですし、その為のアピールは早い内からやっていくべきです。

 

子育てから学んだ、自分の「守備範囲」の見つけ方

さて、じゃあ、自分の「守備範囲」を見つけてそこに軸足を置くのって、一体どうやるといいんでしょうか?

上でも書きましたが、しんざきは三児の父でして、子どもと一緒に過ごすのが大好きです。
で、仕事で学んだことを育児に活かそうとしたり、育児で学んだことを仕事で活かそうとしています。似てないようで案外共通点が多いんですよ、仕事と育児って。
密接な人間関係が絡むものは大体根っこは同じ、って話なのかも知れません。

で、子どもたちを観ていると、やはり彼ら彼女らも、人生経験をちょっとずつ貯める間に「自分の得意なこと」というものを見つけていっているようです。

 

その際に、私が見ている限りでは大きく二通りのパターンがあるような気がするんですよ。
そのパターンというのは、簡単に言うと「実績先行型」と「思い込み先行型」です。

多分なんですが、「守備範囲」「得意分野」というと、おそらく多くの人が「実績先行型」を思い浮かべるんじゃないでしょうか。
つまり、実際に何かをコツコツとやってみて、段々上手く出来るようになり、自信をつけていく。やがて、そこに実績が積み重なり、経験をもとに自他ともに「それが得意」と認めるようになる。

勿論、子どもにもそれはあります。折り紙をたくさん折って出来るようになったり、ピアノを何度も弾いてだんだん上手くなったり。野球でもサッカーでも勉強でも、「やっている間に自信がつく」という要素は非常に大きいです。

一方で、「思い込み先行型」というものもあります。

つまり、必ずしも実績や経験があるわけではない。
単に「たまたま一回上手くできた」とか、「たまたま褒めてもらえた」とか、「なんとなく好きで、やれるような気がする」という程度の、言ってみれば思い込み、ないし錯覚。そこをスタートに、「私はこれが得意」と宣言をして、実際にやってみては人に見せて。

特に何の根拠もなく、最初の時点で「これが得意」と自分で決めてしまう、というパターンですね。

しんざき家で言うと、長女のお絵かきとか、長男のレゴやプラレール、次女の歌や片付けなんかがこれに該当します。

結果的に経験がスキルを磨くという点では同じなんですが、少なくとも自分の観測範囲内では、どうもこちらの「思い込み先行型」の方が、最終的にはスキルも評価も高くなるような傾向がある気がしているんですよ。

例えばの話、長女はお絵描きが大好きで、殆どペンも握れない頃から「長女ちゃんはお絵かき得意だから」と言っては回りに自分の絵を見せて回っていましたが、小学校に上がってからは本格的に上手くなってきていまして、今じゃ私なんかよりも遥かに正確かつ大胆に、色んなものが描けるようになってきています。

多分これは、自分の中での「得意分野」に対するハードルが低いこと、「得意」という認識自体がお絵描きに対するモチベーションを高めていることが原因なんじゃないかな、と私は思っているんですが。

ここで何が重要かというと、「守備範囲」を定める為に、必ずしも「実績」や「根拠」は重要ではない、ということ、そして「周囲に評価を求める・周囲にアピールすることを恐れるべきではない」ということです。

「自分の得意分野」「自分の軸足」を決める際、別に長年の経験が必要な訳でもなければ、輝かしい実績が必要なわけでもない。
根拠が薄弱だろうがなんだろうが、「これ」と決めて、かつそれをきちんと周囲に開示していれば、スキルは後からついてくる。

子どもを観ているとそんな風に思えるんです。

 

「思い込み先行型」で自分の「守備範囲」を設定してしまう

仕事だと、やっぱり皆さん、「実績がないと得意なんて言えない」という謙虚な人が多いんです。
皆さん、「実績先行型」の方が「正しい」軸足の定め方だ、と考えるみたいなんですね。

ただ、私の好きな漫画の一つで、雑誌に載るだけで奇跡かって思う程休載が多いことで有名なベルセルクっていう漫画があるんですけど、その主人公が言った良いセリフがありまして。

 

「お前何十年も修行して達人にでもなるのを待ってから戦場に出るつもりか?気の長ぇ話だな」

っていうセリフなんです。

 

自信がつくまで実績と経験をコツコツと積み重ねていくっていう在り方を否定するつもりはないんですが、実際のところ、楽しく仕事をしようと思ったらそれなりにスピード感があった方が絶対有利ではあるんですよね。

そもそも、仕事を任せる側からしても、多少のスキルの多寡なんてものはそこまで区別が出来ないもので、じゃあモチベーションが高い方にやらせるかってことになる場合はままあります。「口だけ」だろうがなんだろうが、軸足をアピールしておくことのデメリットって、実は殆どないんですよ。

で、同じような能力であれば、トライ&エラーの機会が多い方が最終的なスキルも評価も高くなることは、自明と言えばあまりに自明な話なんです。
スキルは後からついてくるもの。じゃあ別に、アピールの段階で実績なんていらねえよな、と。

そうして考えると、皆さんには是非「思い込み先行型」で自分の「守備範囲」を設定してしまうことをお勧めしたいなーと。
別に一生それで食うなんて話ではありませんし、上手くいくかどうかは環境にもよりますが、まず何か一つ軸を決めて、そこを育てていけるかどうかで、十年後の自分の姿って多分全く変わってくると思うんです。

 

皆さんが楽しく仕事をしていけることを願って止まないと、そんな話だったわけです。

 

最後に、この記事の要点をまとめておきます。

・仕事をする上で、「守備範囲」「得意分野」があるかないかというのは非常に大きな要素です
・「得意分野」を決める上で、経験や実績が必須かというと必ずしもそうではありません
・「周囲の評価を恐れない」ということは重要です
・割と軸足を決めて主張しちゃった者勝ちになることは多いです
・ベルセルクは俺が生きている間に完結するんだろうか

大体こんな感じです。よろしくお願いします。

今日書きたいことはそれくらいです。

 

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「『好きなこと』を『食べていけること』に紐づける方法」

 

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