topTOP インタビュー 仮説を検証していったら会社経営だった26歳の話 Jizai inc.CEO佐々木貴史(26歳)

仮説を検証していったら会社経営だった26歳の話
 Jizai inc.CEO佐々木貴史(26歳)

インタビュー 2019.09.02

今回取材した佐々木さん(26歳)は、メディア事業(転職nendo)やWebコンサル事業を展開している株式会社Jizaiの代表取締役を務めている。

これまでに6社経験し、人材ベンチャー、海の家共同経営、海外転職事業のキャリアアドバイザーなどを務めてきた。そうした経験を生かして、これまでに500人以上のキャリア相談を受けてきた。

Twitter(@sasaki_recruit)上では、「転職」や「キャリア」に関することなどをゆるく呟き、密かな人気を呼んでいる。

そんな佐々木さんに、今回は「転職」や「キャリア」について迷える20代代表として話を伺い、これまでのキャリアやこれからの時代どう生きていけばいいのかなどをお話していただいた。

 

『納得感』を持って生きること

自分の意思で選ぶ場数が足りていないから迷う

自分自身の仮説を持ち、行動して検証する

ことなどを教えていただいた。

 

僕の意見はあくまで選択肢の一つとして知ってもらえたら嬉しいです」。
そんな佐々木さんの言葉からインタビューは始まった。

 

「結果が出ている人の近くで行動や思考を学べばいい」
人材ベンチャー→海の家→海外転職事業への転身

経歴
新卒で人材系ベンチャーに入社、その後、海の家や海外転職事業の立ち上げを経験。チーム全員が活躍できる “やさしいギルド組織” を目指し、2019年に株式会社Jizaiを設立、代表取締役を務める。「転職nendo(ねんど)」 の編集長。同社では、 オウンドメディア運用のほかwebコンサルなどを行っている。26歳(1993年生まれ)

―SNSや「転職nendo」というメディアで、転職やキャリアについて発信されていますが、これまではどんな経歴を歩んでこられたのですか?

まず新卒で、「ブラック企業でゴリゴリやりたい」と思って、人材系のベンチャーに入社しました。その後、海の家の共同経営、海外転職事業、フリーランス、起業と歩んできました。

 

―「ブラック企業でゴリゴリやりたい」というのは珍しいですね。

たしかに、珍しいかもしれません

そう思うようになったのは、大学時代のテニス部で、努力したのに結果を出すことができなかったという経験が大きかったですね。今だから笑って言えますが、当時は週7日、死ぬ気で練習してきたのに満足する結果を出すことができず、それが悔しくて、悔しくて。泣きながら練習もしていました。

そんな経験から、「今後、こんな悔しい思いは絶対にしたくない。そのためにも、これまでの自分とは180度振り切って正反対のことをしなきゃ、同じ結果になってしまう」と考え、新卒の就活する時はあえてこれまでとは逆の路線で行くことにしました。

学生時代は、自分で言うのも変ですが「真面目に決められたことをコツコツやっていく」というタイプで、おそらく大手メーカーや金融業界が妥当な選択肢だったと思います。

ただ、そういった選択肢は全部捨てて、ゴリゴリ働ける人材業界のベンチャーで、自分で考えないとやっていけない状況に身を置くことを優先して就活をしていました。

 

―その会社を辞められてしまったのは、どういった理由なのでしょうか?

目の前に海の家があったからですかね
すみません、真面目にお話しますね。

仕事内容自体はとても満足はしていたんですよね、新卒ではあったのですが、多くの業務を任せていただけていたので。

ただ、入社から1年が経つときに海の家を立ち上げるというもっとゴリゴリ働けるという話があり、それに関わるため1年で退社しました。

 

髪型も今とは違い、金髪だった

―新卒時に会社を辞めて、その後海の家の経営や海外転職事業、フリーランス、起業…と様々なことをされていますよね。

たしかに、まあまあ変なキャリアですよね。色々なことをしているように見えるかもしれませんが、「一緒に働く人は自分で決めてきた」ことは共通しているかもしれません…!

「どんな人と一緒に働きたいか?」を最優先にして「この人と一緒に働きたい」と思ったら、それを行動にうつしてきました。。その軸は今も昔もぶれておらず、アウトプットの仕方が変わっただけかなと思っています。

 

―どんな人と働きたいと思われていたのですか?

う〜ん…、考えてみると、基本的に僕にないものを持っていて、結果を出されている人かもしれません!

少し話が変わってしまいますが僕は何故か自分の行動量には自信があって、努力はできると思っていました。ただ、それが結果や実績に結びついていないという問題意識があり、「どう行動していくのか」という課題を感じていました。

そこで、めっちゃ考えた結果「手っ取り早く結果が出ている人の近くで行動や思考を学べばいい」と思い、行動量が多くて結果を出している人と一緒に働かせていただきました。

 

―実際そういう方と働かれてみていかがでしたか?

まず、ビジネスどうこう関係なく、本当に人として魅力的で、一緒にやらせていただき楽しかったですね。そのうえで、多くのことを学ばせていただき、本当にいい機会に恵まれました。

共通点として大きな組織で働かなかったことが挙げられるかもしれません。実際の経営者の近くで、肌感覚で学ぶことができました。

たとえば、問題発生時の課題の設定の仕方、先方の期待をどう超えるか‥‥など多くのことを学ばせてもらいました。海外転職事業でも海の家でも、魅力的な人と身近に働けた経験は大きかったです。

「彼らならこう考えて、こう行動するだろうな」と今の自分の意思決定にも生きている部分です。

 

キャリアにおいて、「いかだ下り」しながら「山に登る」ことが大切ではないか?

―ご自身としては思い描いたようなキャリアでしたか?

全く思い描いたものではありませんでした。社会人2年目で、金髪にして海の家をやるなんて思ってもみませんでした
今キャリアとかで悩まれている方かなり多いですよね。

 

―そうですね。キャリアについてどう思われますか?

キャリアの話で「山登り」、「いかだ下り」の理論ってご存知ですか?

サクっと説明させていただくと、キャリア形成の代表的な2つなんですが、山登り」とは自分で目指す目標を決めて、その目標に向かって一歩ずつ進んでいくキャリア理論で、「いかだ下り」はどんな状況でも主体的に関わり、偶然の出会いや縁を大切にして力をつけていくというキャリア理論です。

この理論だと、僕は「いかだ下り」のキャリア形成をしてきたと思っています。

明確に夢や目標がある人なら、山のてっぺんが見えているという状況だと思うので、「山登り」でやっていくのが一番幸せかな、と思います。

結果を出すためには「山登り」するのがいいかなと思いますが、個人的には「いかだ下り」をしながらでも山は登れると思っています。いかだの上にも小さい山があると思っていて、ただいかだ下りをするではなく、いかだ下りをしつつも山に登って結果を出すことが大切かなと

いかだ下りもただ、その場その場で都合のいいことを選択するのは違うと思っていて、流れる川を自分でちゃんと選ぶことが重要だと思っています。かなり概念的な話になってしまいましたが、個人としてはキャリアについてそんなイメージを持っています。

 

「納得感」を持って生きていく・働いていく

―今の20代はどうやって生き残りをはかるべきだと思いますか?

まず、めっちゃ変なことを言いますが「本当に生き残りたいのか?」から考えてしまいますね。

なぜなら、選ばなければ今の日本で仕事はたくさんありますし、恐らく簡単に死ぬことはできないですからです。笑

そう考えると、論点は、「生き残る」より「どう生きていくか」「どうなってたら幸せ?」ということの方が重要な気がします。そして「どう生きていくのか?」を考えると、お金を稼ぐ、人の役に立つなど色々ありますが、結局、「納得感を持って生きる」ということに、僕だったら行きつくと思います。

 

―自分で「納得感」を感じるためにはどうしたらいいのでしょうか?

僕の立場からそんな偉そうなこと言えないです

ただ、ちょっと変なキャリアを歩んできた僕からお話させていただくとしたら自分の中で「生き方や働き方」に関する仮説を立てて、行動して振り返ってみる(検証する)しかないと思います。

「納得感」は最初からは恐らく分かりません。「そもそも何がしたいのか」「どう生きたいのか」と仮説を持って、行動し、検証して初めてわかるなと。検証まで終わってようやく納得感は生まれるものだと思います。

他の方とお話していて、たまに僕が少し違和感があるのは、高い年収、有名な企業に就職、家族で一軒家に住むことが幸せとされている雰囲気ですかね。もちろん、自分の本心と向き合って、そう思うのは全然良いと思います!

僕は、他人と比較するのではなく、自分自身と徹底的に向き合った方が、その人も魅力的に見えるのにな…!と思ってしまいます。

 

自分の頭で考えて選択肢を選ぶことが重要

―佐々木さんのように「自分はこんな人間だ」とか「自分の軸はこうだ」とはっきり言える人間って珍しい気がしています。どうしてそのように思われるようになったのでしょうか?

「自分はこういう人間で、こういう軸を持っているのではないか」という仮説を立てて、行動、検証してきて何となく分かってきました。僕の場合、小学生からテニスをしていて、大学では、テニスの団体戦で、メンバーと一緒に1ポイント1ポイントとっていく感覚が大好きでした。

チームでやる感覚とか、人で人と一緒にやるということが、僕は一番生きている実感があります。

ただ、この軸が社会で、ビジネスにつながるかってなった時に、多分あまり繋がりにくいなと、就職活動をしている時に悩んでいました。

でも、一旦仮説として、「僕は働く上で、人を大事にしているのではないか」や「人と一緒に何かやるのが好きなのではないか」という仮説をたてて、色々とやってみたという感じですね。

―仮説を立てて行動して検証する‥というのが大切だと分かりました。ただ、その仮説がそもそも分からないというか、「何がやりたいのか分からない」と仮説時代が立てられない人が多いのではないかと気がするのですが…。

僕もそう思います。僕の場合は、色んな事を自分で決めていなかったから、仮説を立てられていなかったと思います。

大学に入学するまでって自分の意思で決定する場数が、圧倒的に少なくて人から言われたことを真面目にひらすらやってきたなと大学生になり急に自由になって、どうすればいいか、正直分かんなかったですね。

そのため、僕の経験を通して思うことは、色々な選択肢がある中で、自分の意思で選んでいけば、「自分は何を大切にしているか」「自分はどんなことをしたいのか」が徐々に分かってくると思います。僕も、自分の意思で決定することをあまりやってこなかった人間です。なので、僕は自分のそこが弱いと感じていて、先程の話に戻りますが「優秀な人はどんな風に考えて決定して行動しているのか」を学びました。

 

―自分の意思で決定する力を磨くためにはどうしたらいいのでしょうか?

毎日自分の意思で決定していくということに尽きるのではと考えています。「自分の意思で決めた」という小さな積み重ねをしていけば、きっとそれが習慣になっていくはずです。

すごいありきたりな例えになってしまいますが例えば、飲み会に行くにしても「周りがみんな出るから」ではなくて、「自分がどうしていくのか、どんな目的があってその飲み会に行くのか」とか、考えるのも良いかなーと。その積み重ねが出来ている人といない人って結構な差が出ると感じています。

意思決定って本当の自分と向き合わなきゃいけないから、凄い負担がかかることかなと思います。面倒くさいですが、日々自分の頭で考えて小さい意思決定を繰り返していけば自信も付きますし、転職とか大きな決定に直面しても迷うことなくできるようになると考えています。

 

―「仮説は立てられるが、行動できない」という場合はどうしたらいいと考えられますか?

人によって違うと思いますが、「自分なりの仮説があるのなら、やってみると良いんじゃないかな?」と思いますね。例えば、「起業したら自分はモチベーションあがるし、こういうスキルあるから起業したらうまくいくかも」という仮説があるなら、やってみればいいかなと思っています。

その仮説が合っているかどうか確認すればいいだけかなと

よく「起業や転職して失敗するのが怖い」みたいな話をされますが、「そもそも自分にとっての失敗って何なのか」を明確にすると良いかもしれません。選ばなければ仕事はいくらでもありますし、今の日本で食べていけなくなる状況ってほぼ考えづらいですよね。

失敗が「社会的地位を失うこと」や「周りからこんな風に見られたら嫌だ」ということを指しているなら、起業や転職は辞めた方がいいんじゃないかな、と思います。結局、自分の意思で何が一番大切なのかを選ばざるを得ないのかなと。

 

―佐々木さんは起業されていますが、怖さとかはありませんでしたか?

そもそも、お金かけずに色々挑戦できるなと最近感じています。

あくまでWEB領域の場合ですが、オフィスなんていらないですし、一人でできます。無料で使えるツールもたくさんありますよね。Googleが出しているやつ全部使ったら、何かしらいけそうじゃないですか。笑

最悪、サーバー代がかかるくらいで、それでも月1万円くらいでしょう。飲食店とか箱持つとかであればまた変わると思いますが、資金調達だって、ちゃんと意思や計画があればいけると思います。起業するのにお金ないというのはたぶん言い訳ですし、なんか怖いって言っているのを言語化したら結構大したことなかったりしますよ。笑

 

今後、「一緒に働いていて心地よく働ける人」の価値が上がる

―今後、どんな時代になっていくでしょうか?

完全に個人の持論ですが、より人間味があるというか「一緒に働きやすい人」の価値が今以上に大きくなっていく気がしています。今、結構何でも外注できるようになり、会社という枠組みだけじゃない選択肢も増えたかなと

この流れは進んでいくと思っていて、そうなったときに、やっぱり「一緒に働いていて、心地よく働ける人」っていうのは結構大事な要素になると思っています。

 

―「心地よく働ける人」になるためにはどうしたらいいのでしょう?

シンプルに「相手が期待していることを把握して、それに応えること」だと思っています。それは、どんな職種でも共通していて、デザイナー・エンジニア・営業…、どれでも基本的には変わらないはず…。

だから相手の立場から考えて、自分に何が求められているのかはっきりさせた方がいいです。それがわからなければ聞いてしまえばいいと思います。

 

最後に

今回色々とお話をしましたが、無理に焦る必要は無いかなと思っています。キャリアドバイザーとしても働いていたので、これまで「明確に夢がない・やりたいことがない」という多くの方にお会いしてきました。

僕はそういう方々とお話させていただいて「夢や目標を明確に決めなきゃいけない」という決めつけが、悩みの原因なんじゃないかと思っていて無理に決めつけようとするのではなく、一旦、何か仮で目標を仮決めしてみる、仮説を持ってみるということでもいいのではないでしょうか?

その上で、これまでお話させていただいた納得感が持てたら良いのかなともし、今すぐに納得感を持てないようでしたら、

「将来これがやりたいと思った時に、それができるよう自分の力を付けておくこと」を意識してみてはどうでしょうか?

20代であれば、「どこででも働ける力をつける」とか、そういうベクトルで一回目標を仮置きして、色んな経験をして力を磨いていくことでもきっと今後役立ってくると思います。

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