転職で「面接に行きたくない」「緊張して不安になる」こんな気持ちの付合い方
転職活動で書類選考を突破すると、次に待っているのが面接。
選考突破の嬉しい気持ちもそこそこに、面接への不安が襲ってきますよね。
「とても緊張する……。できれば行きたくない……。」
そのモヤモヤした気持ち、とてもよく分かります。
だからこそ、あなたに伝えたいのです。
「面接にはぜひ行ってみよう」と。
この記事では、前半にあなたが「面接に行きたくない……」と感じてしまう心理的なメカニズムと、行きたくはないけれどそれでも面接に行くことをすすめる理由をお伝えします。
後半では、今からすぐ実践できる「緊張をほぐすコツ」と、不安を取り除くための面接準備方法もご紹介。
自分の気持ちとうまく付き合いながら、納得できる転職を進めましょう。
目次
面接に行きたくないのは「緊張や不安」のせい
「ぜひ働いてみたいと思う企業なのに、面接には行きたくない……」と感じているあなた。
相反する感情の裏側にあるのは、面接に対する不安や緊張です。
まずは、あなたがどういった理由で緊張や不安を感じているのかを紐解いていきましょう。
自意識過剰が緊張を引きおこす
私たち人間は、「公的自己意識」と「私的自己意識」という2つの自己意識を持っています。
POINT
- 公的自己意識:
周囲の目を気にする意識。「自分の外見は変じゃないかな?」「変な話し方してないかな?」など。 - 私的自己意識:
自分がどう感じているか、という意識。思いや考え、「どのように振る舞いたいか?」など。
2つの自己意識はどちらかが強ければ良いというものではなく、双方の自己意識のバランスが取れている状態が好ましいです。
しかし、見知らぬ人を相手に自分を売り込む「面接」という場面では、
「話し方が変だと思われたらどうしよう……」
「こんなことを言ったら落ちてしまうかな……」
……と、いろいろ考えてしまいますよね。
こうした思考は、公的自己意識を強めるほうに作用します。
バランスが崩れて、公的自己意識が過剰な状態(自意識過剰)になると、過度に緊張してしまったり「面接に行きたくない……」という気分になったりしてしまうのです。
面接対策が足りない
面接というと、「練習するもの」「対策するもの」というイメージをお持ちの方も多いはずです。
しかし、現職と同時並行で進めるのが主流の転職活動では、準備に十分な時間を割けないまま面接に臨むことも少なくありません。
「面接対策に時間を取りたい」が、「短い時間で満足な対策をできなかった……」という感情が、面接への不安や緊張を増幅させてしまいます。
過去の面接の経験も影響
面接前に緊張してしまうのは、あなたがこれまでに受けてきた面接の経験も影響しています。
何度か面接を重ねると、面接で失敗してしまったこと、うまくいかなかったことが1つや2つはあると思います。
そういった過去の経験がトラウマとなって作用すると、不安や緊張が増幅してしまうことがあるのです。
それでも面接に行くことをすすめる理由
ここまで、あなたが面接前に不安や緊張を感じてしまう理由を簡単に解説してきました。
筆者があなたに伝えたいのは、ドクターストップやひどい体調不良でなければ、緊張していても面接には行ったほうがいいということです。
勇気ある一歩が悪循環を断ち切る
先ほど、「公的自己意識」が過剰になってしまっている状態(自意識過剰)が緊張を作り出す、という話をしました。
このような状態で、行きたくない気持ちに従って面接をキャンセルしてしまうと、面接に対する不安や緊張がさらに高まってしまい、自意識過剰に拍車をかけることになってしまいます。
すると、余計面接に行きたくなくなってしまい、別の面接をまたキャンセルする……、という悪循環が生まれてしまいます。
この悪循環から抜け出すには、「面接に行く」という行動を起こしてみることがいちばんの対策になるのです。
日本人はみんな緊張しやすい
ところで、遺伝的な側面から見ると、日本人は緊張しやすい人種だと言われています。
人間のタンパク質には「S遺伝子」と「L遺伝子」という2つの遺伝子があり、緊張や不安への耐性はこの遺伝子の割合によって決まってきます。
S遺伝子が多い人には内向的で不安を感じやすい傾向が見られる一方で、L遺伝子が多い方は社交的で不安を感じにくい傾向があります。
調査結果によると、日本人は緊張に悪影響を与えるS遺伝子の割合が世界的に見ても高いことが分かっています。
個人差はあっても、あなたが面接前に緊張や緊張を感じるのは至って普通のこと。
「緊張をいかに無くすか」よりも、「緊張といかに付き合っていくか」を考えていくのが良いでしょう。
今からできる面接前に緊張をほぐすコツ
ここからは、近々面接の予定がある方に向けて、面接の緊張や不安と付き合っていく具体的な方法をお伝えしていきます。
まずは、面接を明日や数時間後に控えているあなたへ、今からでもできる緊張のほぐし方を伝授します。
「緊張しているのはあなただけではない」と心得る
こう言うと意外に思われるかもしれませんが、面接を前にして緊張しているのはあなただけではありません。
実は、あなたの話を聞いてくれる面接官も、あなたと同じように不安や緊張を抱えているのです。
面接官の立場に立って考えてみましょう。
仮に、会社があなたを年収500万円で採用し、あなたはそこで5年間働いたとします。
年収分だけを単純計算しても、会社は2500万円をあなたに投資することになります。
面接官は、30分から1時間のうちに、こうした高価な投資をするかどうか意思決定をしなければなりません。
「この人に投資すべきかどうか?」「資本投下した分だけ回収できるかどうか?」ということを考えて緊張しているのが、面接官の胸の内なのです。
あなただけが緊張しているわけではない、と知るだけでも、心がグッと軽くなるのではないでしょうか。
緊張をカミングアウトする
面接に入る前のアイスブレイクや自己紹介などで、面接官に「実は私、いますごく緊張していまして……」と打ち明けてしまうのも有効な手段です。
「面接中はできるだけ緊張しないで!」と緊張をコントロールすることは難しいですよね。そこで、あえて「緊張をコントロールできない」ということをオープンにしてしまうことで、気分を楽にすることができます。
面接官も、あなたが緊張していることを
「思わず緊張してしまうほど、ウチの会社で働くことを真剣に考えてくれているのだな……」
と前向きに捉えてくれる場合がほとんどですよ。
面接で何か一つだけ成果をあげる
いざ面接が始まったら、一つだけで良いので成果を出してみましょう。
「成果」と言うと大げさかもしれませんが、どんなに小さなことでも良いです。
例えば、
- 自己紹介をうまく言えた
- 笑顔を意識してハキハキ答えられた
- 入室・退室のマナーを完璧にこなすことができた
……などです。
無理して「面接に受かる」などと考える必要はありません。
小さな「できた!」の積み重ねが、面接と向き合うあなたに自信をもたらしてくれます。
面接後は自分にご褒美を
面接を終えて会社のビルを出ると、どっと疲労感が襲ってきます。
面接のあとは、頑張った自分のことを労ってあげてください。
面接が始まる前に、「この面接を乗り切ったらこうするぞ!」と決めておくと良いでしょう。
美味しいご飯を食べに行くも良し。
気になっていたスポットを訪れるのも良し。
早めに帰宅してゆっくり睡眠を取るのも良いですね。
面接まで日にちがあるなら事前準備を万全に
最後にご紹介するのは、面接までの時間が3日~1週間ほど時間がある方にぜひ取り組んでほしい3つの事前準備です。
この期間の準備をしっかりこなすことで、「自分はこれだけ準備したから大丈夫」と自信を持って面接当日を迎えられますよ。
伝えたいことを書いて・話して整理
面接では、志望動機や転職理由といった「どんな面接でも必ず聞かれる質問」があります。
こうした質問への返答は、五感をフル活用して覚えてしまいましょう。
POINT
- 伝えたい内容を紙に書き出して内容に過不足がないか整理する
- 書き出した内容を実際に話すつもりで声に出して、言い回しや表現に違和感がないか確認する
書く→声に出す→また書く→声に出す……を繰り返すことで、伝える内容もブラッシュアップされていきますし、伝える内容も頭にいれることができます。
スマホで「セルフ面接」
ある程度話す内容が固まったら、お手持ちのスマートフォンを面接官に見立てて「セルフ面接」をしてみましょう。
POINT
- スマホの自撮りカメラを起動して、動画を撮影しながら自己紹介や志望動機などを話す
- 一通り話し終わったら、自分で撮影した面接動画を見返す
こうすることで、自分の話す姿勢や表情を客観的に見つめ直すことができます。
初めは恥ずかしいですが、自分を客観的に見ることができるので、その分得られる気づきも多いです。ぜひ一度試してみてください。
逆質問を用意しておく
こちらから面接官に対して質問することができる「逆質問」。
面接では、ほぼ100%の確率で「質問はありますか?」と聞かれますので、あらかじめ用意しておきましょう。
といっても、どんな内容でも質問していいわけではありません。
面接官の役職によっても質問すべき内容が変わってくるのです。
具体的にどんな逆質問を用意する?
逆質問が大事とはいっても、どんなものを用意しておけば良いのか悩む方も多いでしょう。
詳しくは、以下の記事でご紹介していますので、あわせて読んでみてくださいね。
この記事では、「転職の面接に行きたくないな……」というあなたに向けて、以下の内容をお伝えしてきました。
簡単におさらいしておきますね。
CHECK
- 面接に行きたくないのは不安や緊張が原因
- 勇気を振り絞って面接に行こう
- 面接まで時間がない方は4つのワザで緊張をほぐそう
- 3つの事前準備で面接の不安を払拭しよう
面接への不安を解消していくには、「転職のプロ」転職エージェントに相談するのもおすすめです。
どの転職エージェントを使えばいい?
ここは絶対外せない!という登録必須な転職エージェントに加えて、お悩みのタイプに合わせた転職エージェントを使っていくのが良いでしょう。
詳しくは、以下の記事でご紹介していますので、あわせて読んでみてください。

監修者によるコメント
自分が受けることを決めた企業と言えど、緊張や不安から「行きたくないなぁ。。」と思ってしまう気持ちは非常に分かります。どれだけ準備をしても100%出し切ることは中々難しいので、60%〜70%の出来ならOK!くらいの気持ちで向かうと意外と良い結果が待っていたりしますよ。緊張しすぎず、落ち着いていきましょう。