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三井不動産は働きがいのある会社なのか?IR分析から競合との違いを探る

企業分析 2019.11.25

就職活動や転職活動中、様々な企業を見ていく中で、openworkなどの口コミサイトの評判を参考にする方は少なくありません。

しかし、定性的な評価ばかりでは、根拠がしっかりしていないため不安を覚える人も多いかと思います。

今回は、Openwork「働きがいのある企業ランキング2019」にて3位に輝いた三井不動産をIRから分析していきます。

 

この記事では、

財務諸表を見る」という方法で、定量的な分析を行い、三井不動産はどんな会社なのかを明らかにします。

 

ディベロッパーの会計的特徴

まず最初にディベロッパーの会計上での特徴について見ていきます。

不動産業界のビジネスモデルをざっくり捉えると、

 

ディベロッパーが企画

ゼネコンが工事

部分的に下請けに投げる

完成した建物をディベロッパーに納品

 

という流れになります。

ディベロッパーの仕事としては、土地を引っ張ってきてそこで何をしたいか考えて、ゼネコンに作ってもらい、それを運用していくということになります。

その中で考えなければならないことは一つの案件が重くて長いという点です。

三井不動産を含む総合ディベロッパーは大きな商業施設やオフィスビルを開発しますが、完成するまでは在庫扱いとなるため、財務諸表での棚卸資産が大きくなります。

この棚卸資産に係る費用は長期的な財源で賄う必要があります。

以上のことから、棚卸資産を主とした流動資産と長期借入金などの長期資金が大きくなっていることが特徴として挙げられます。

 

競合との違い

それでは、総合ディベロッパーである三菱地所、住友不動産、東急不動産HD、野村不動産HDの4社をピックアップし比較をしていきましょう。
三井不動産の特徴を数字から読み解きます。

三井不動産と競合とを比べたときに目を引くことは、
・「業界トップの規模」
・「自己資本比率の高さ」
・「マネジメント事業の強さ」

の3点です。

 

業界トップの規模

ディベロッパーの中でも総合ディベロッパーとは、オフィスビルや商業施設の開発によって、総合的に街を発展させる企業を指します。

 

業界のトッププレイヤーでありどこも大規模ではありますが、その中でも群を抜いているのが三井不動産です。

(グラフは各会社のIR情報から著者作成)

 

売上高が2位以下と大きく差をつけてトップです。豊富な資金がある三井不動産は安定していてかつ自由度が高いプレイヤーといえます。

 

自己資本比率が高い

自己資本比率とは、経営に使う資金をどれくらい自己資本で調達しているかの指標です。

高ければ高いほど倒産しにくいといわれています。

総合ディベロッパーはディベロッパーの中でも、扱う商品の単価が高く長期間にわたるものであり、棚卸資産が増える傾向にあります。

その在庫コストに多額の資金が必要なため、自己資本比率は低い傾向にあります。

(グラフは各会社のIR情報から著者作成)

そんな総合ディベロッパーの中でも頭一つ抜けているのが三井不動産であることがわかります。35%ほどある自己資本比率は直近3期分の数値を並べても安定して高いといえます。トップの資金力を活かして自己資本率を高められることは明確な強さです。

 

マネジメント事業が強い

総合ディベロッパーの主軸となる事業は、分譲住宅事業と賃貸事業の2つです。三井不動産はここにマネジメント事業を加えて3つの軸で経営しています。

(グラフや表は三井不動産HPを参照)

 

マネジメント事業とは、プロパティマネジメントと仲介・アセットマネジメントの二つからなるものです。

プロパティマネジメントでは、オフィスビル・商業施設・住宅などの管理運営業務やテナント入退去工事が、仲介・アセットマネジメントでは住宅や法人向け不動産の仲介や、投資用不動産の運用代行などが該当します。

(グラフは各会社のIR情報から著者作成)

 

今回マネジメント事業について、比較できる資料を作成しようと考え、各社のIR情報を閲覧した結果、三井不動産は「マネジメント」 として書いている一方、ほかの企業は「管理・仲介」という表記で書かれていました。管理・仲介がマネジメントにあたるとみてここではマネジメントと定義しました。

マネジメントの営業収益を見ると、三井不動産の数値は文字通り桁が違うことがわかります。規模の差はありますが、注力していることは明白です。

 

また、以下は2011年から三井不動産の今までの各セグメントの変化を追った表です。三井不動産のHPにて閲覧できるので一度見てみると面白いかもしれません。

 

(グラフは各会社のIR情報から著者作成)

 

マネジメント事業はもちろん、賃貸や分譲住宅もバランスよく伸びています。このバランスの良さが三井の強みです。

 

三井不動産はやはりいい会社だった

業界トップの規模とそこからくる自己資本比率の高さ。

競合との差別化を図る「マネジメント事業」という3本目の柱がIR分析から見てとれます。

安定と挑戦の両方をとれる素晴らしい会社であると言えます。

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