topTOP 企業分析 リンモチはどんな企業?時代を見据えた事業で成長中、今後は海外展開も?

リンモチIRサムネ

リンモチはどんな企業?時代を見据えた事業で成長中、今後は海外展開も?

企業分析 2019.12.03

リンクアンドモチベーションをIR分析で解剖!そもそも何の会社?

openwork9位になっているリンクアンドモチベーション。コンサルティングの企業や、人材紹介の企業などいろいろな見られ方をされているリンクアンドモチベーションですが、実際何の会社なのか分からない方も多いのではないかと思います。
この記事では、リンクアンドモチベーションをIR情報から分析し、海外進出を考えている、勢いのある成長企業ということを事業内容とともに解説します。コンサル業界で一歩先を行く存在になりうるリンモチの魅力をお伝えできたらと思います。

IR分析をした経緯

就活生や転職者などの、企業分析をしている方の手助けになればと思い、リンクアンドモチベーションのIR分析をしてみました。投資家の方にとっても新しい気づきなどがあるかもしれません。
この記事を通してリンクアンドモチベーションについてより深く知ってもらえたら嬉しいです。

リンクアンドモチベーションって何の会社なの?

リンクアンドモチベーションってそもそも何をしている会社なの?調べてもコンサルや人材の会社と出てきてイマイチよく分からない…。そういった悩みを解決していきます。

「モチベーション」に着眼したコンサルティング会社

カテゴリとしてはシンクタンク系のコンサルティングファームといわれているリンクアンドモチベーション。しかしこのままでは具体的に何をしている会社なのかわかりません。

簡潔に書くと、「世界で初めて「モチベーション」に着眼したコンサルティングサービスを提供している会社」です。

なぜモチベーションに着目したのか

そもそもなぜモチベーションに着目したのでしょうか。その答えとして、時代の変化があります。人生100年時代に突入し、社会の構図も転職が当たり前という風潮があります。そんな中で、給料さえよければ何でもいいという外発的動機付けだけでは満足に生きていくことができないことは簡単に考えられます。現代社会に生きる労働者に必要なのは、金銭などの「金銭報酬」だけでなく、やりがいという言葉に代表される「感情報酬」です。詳しくはモチベーションエンジニアリングの考え方としてHPに掲載されています。ぜひ見てみてください。

モチベーションにフォーカスした事業

リンクアンドモチベーションでは「モチベーション」に着目して様々な事業を展開しています。ここではざっくり何をしているのかをまとめておきます。

  • 人材紹介・派遣事業
  • 企業のモチベーション向上のサポート
  • 個人のモチベーション向上のサポート

具体的な内容に関しては、後述の事業内容の項目で説明しています。

リンモチは怪しい?

事業の紹介に移る前に、この話をしておくべきでしょう。リンクアンドモチベーションについてある程度調べている方は「なんか怪しい、宗教っぽい」といった声を目にしたことがあるのではないでしょうか。実際、事業内容を知らないで聞いていると、モチベーションの話ばかりしていて、正直怪しいと感じる人はいると思います。噂に流されずに、リンクアンドモチベーションの考え方と事業内容を知って自分で判別してみましょう。

リンモチの考え方

代表取締役会長である小笹芳央氏は、代表挨拶の中で以下のように述べています。
「企業とそこで働く個人の関係は、戦後の高度成長期からバブル期を通じて、「相互拘束関係」を続けてきました。多くの企業が終身雇用や年功序列型の人事制度を設け、個人もまじめに勤めていれば定年退職まで会社が面倒を見てくれるという安心感から会社に忠誠を尽くしていました。 しかし、このような企業と個人の「相互拘束関係」は終焉を迎え、現在は「相互選択関係」になっています。企業は終身雇用や年功序列を放棄し、個人もまた、自らの市場価値を意識し、キャリア形成を考える時代が到来しているのです。こうした時代には、優秀な個人にモチベーション高く成果を出し続けてもらうには、企業は自社の向かう方向性や、自社で働くことの意義を社員に伝え続ける必要があります。」

どう感じるかは個人によりますが、今という時代を捉え、柔軟に適応しており、だからこそモチベーションに着眼したということが想像できます。この文言含め、企業方針などの「根底にある考え方」は、一度だけでなく記事を読んだうえでもう一度読んでみてください。最初とは違った印象を受けると思います。また、企業理念などと合わせて公式ホームページで確認すると、どんな考え方をしている会社なのかが、よりしっかり理解できるはずです。

リンクアンドモチベーションの特徴

他のコンサルティング会社と比較して特徴的な点や、知っておきたい点を列挙してみます。

  • 「モチベーション」に着眼した新しいコンサルティングサービス
  • それを実現する独自の技術「モチベーションエンジニアリング」
  • IFRS(国際財務報告基準)を導入している
  • 給与はそれほど高くはない

「モチベーション」に着眼したコンサルティングサービス

これまで様々なコンサルティング会社が社会に生まれてきましたが、「モチベーション」という視点でのアプローチをする企業はリンクアンドモチベーションが初めてです。現代の社会において、労働者にとっては終身雇用がなくなるとともに選択の自由を会得しました。その中でモチベーションはサラリーよりも必要になってくる指標であると考えられます。

それを実現する独自の技術「モチベーションエンジニアリング」

モチベーションエンジニアリングとは、「営学、社会システム論、行動経済学、心理学などの学術成果を統合して生み出された当社独自の技術」と本社HPに記載があります。
また、人間観として、ダニエルカーネマンの提唱した「日は勘定ではなく、感情で判断する」を参考に「人間は限定合理的な「感情人」である。」としています。感情人は金銭報酬に加えて感情報酬を欲しており、それを提供することを目的にしているのがモチベーションエンジニアリングです。

IFRS(国際財務報告基準)を導入している

リンクアンドモチベーションは2016年にIFRS(国際財務報告基準)を導入しています。IFRSを導入するということは、投資家に対して、世界の企業と比較したうえで投資するか考えてくださいと言っているのと同じです。実際にIR情報の中で「資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的」と述べています。つまり、世界で戦う準備ができているということです。

給与はそれほど高くない

OpenWorkの数値を参考にすると、平均年収は537万円です。リンモチはシンクタンク系のコンサルティングファームと説明しましたが、コンサルティングファームの水準からすると決して給与が高いわけではないです。これは「給与が低くてもやりがいがあるから」というやりがいブラック的な要素に捉えられがちですが、低賃金労働というわけでもないし、今後事業が拡大していけば還元されることは現実的です。

事業内容は?

色々なことに挑戦しているリンクアンドモチベーションですが、その反面何をやっている会社なのか分かりにくいこともまた事実です。ここでは、グラフを用いて規模感を捉えた後に、細かく見ていきます。

グラフは、第3四半期の連結での事業別売上高をパーセンテージで表したものです。「マッチングディビジョン」が約半数を占めており、主力事業であることがわかります。より詳しく見ていきましょう。

マッチングディビジョン

基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」を人材紹介・派遣・配置事業に転用した「モチベーションマッチング」による、「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」の相思相愛創り。と記載されています。簡単に言えば人と企業のマッチングのアシストです。

ALT配置事業

全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をしています。民間企業で圧倒的なNo.1のシェアを確立しています。日本における英語教育市場は、オリンピック等の影響を受け、引き続き拡大傾向といえるでしょう。

人材紹介・派遣事業

組織の成長において必要となる人材を、紹介や派遣という形式で提供する事業です。

  • 就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続
  • 新卒動員・紹介事業、転職を希望している社会人と企業とのマッチング
  • 販売員・事務員などの人材を派遣する派遣事業
  • 外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供する事業

などを展開しています。後述のキャリアスクールからの流入を考えており、今後見るべき項目であるといえます。

組織開発ディビジョン

法人顧客を対象として、企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援するサービスを展開しています。

コンサル・アウトソース事業

社員のモチベーションを大切にしたい会社のサポートをする事業です。独自の診断フレームに基づいて組織のモチベーション状態を診断し、採用、育成、制度、風土など、組織人事にかかわる様々な問題に対する解決策を全部まとめて提供しています。「モチベーションクラウド」はここに該当します。

モチベーションクラウドとは?

    5,020社、116万人のデータベースをもとに組織状態を診断し、組織改善に活用できる、国内初の組織改善クラウドです。

    イベント・メディア事業

    その名の通り、イベントやメディアを通して、モチベーションカンパニーづくりをサポートする事業です。
    具体的には周年記念イベント、採用説明会、プロモーションイベント、株主総会などの場創りをサポートしています。また、メディア制作としては、社内報、会社説明パンフレット、株主向けのアニュアルレポートなどの紙メディアに加えて、会社ホームページ、IRページ等のWEBメディア、商品説明映像や株主総会動画配信などの映像メディアなどがあります。

    個人開発ディビジョン

    「モチベーションエンジニアリング」を、キャリアスクール・学習塾等のビジネスに適用し、個人顧客を対象として、主体的・自立的なキャリア創りをトータル支援する事業です。

    キャリアスクール事業

    組織に依存することなく主体的・自立的に行動する人材を「アイカンパニー(自分株式会社)」と定義し、その輩出を支援する事業です。

    学習塾事業

    生徒の学力向上はもちろん、世に多くの“アイカンパニー”を輩出することを事業コンセプトに展開する事業です。単なる受験指導にとどまらず、社会で活躍するためのスキル開発の場を提供することを目指しています。

    ベンチャーインキュベーション

    成長志向のあるベンチャー企業に出資をすることに加え、自社の持つ組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供するなど、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援する事業です。

    会計的分析

    続いて、会計的な分析をした中で、気になった点をピックアップして紹介します。今後の動きが予想できる部分になるので投資家の方にも有益な情報になるでしょう。

    OpenWorkをM&Aしている

    評判サイトとして有名なopenwork(旧vorkers)を2019年11月14日に子会社化しました。IR短信には以下のような記載がありました。

    1. 株式取得の目的
    これまでは、オープンワーク株式会社が運営し、社員クチコミによる就職・転職者向け情報プラットフォームである「OpenWork」上にて組織状態のスコアが高い企業と就職・転職を考えている個人をマッチングする 「OpenWorkリクルーティング」を当社と連携して実施してまいりました。 今回の株式取得の目的は、オープンワーク株式会社とともに、企業の労働市場適応をサポートし、従業員エンゲージメントの高い企業であふれる社会を実現することです。 同社で運営する「OpenWork」への登録者数は急増しており、組織状態にまつわるクチコミ数が増加することで、企業の組織状態は更にオープンになっていきます。これにより、「組織状態の良い企業=選ばれる企業」と「組織状態の良くない企業=選ばれない企業」の二極化が進むことが予想されます。その結果、企業は「選ばれる企業」になるために、従業員エンゲージメントの向上にこれまで以上に取り組むようになり、そういった企業を当社の「モチベーションクラウドシリーズ」や「コンサルティング」によって支援をしていきたいと考えています。 上記の動きは、広告掲載量の多い企業に個人が集まるというこれまでのゲームルールを覆し、従業員エンゲージメントの高い企業に個人が集まるという、新たなゲームルールを労働市場に創り出します。また、その流れを 当社と連携して実施している「OpenWorkリクルーティング」によって支援していきたいと考えています。今回の追加株式取得による、子会社化によってこの動きを加速させ、従業員エンゲージメントの高い企業であふれる社会の実現を目指します。

    既に協力して行っていた業務を効率化するための合併ということになります。また、評価サイトの買収だとする人もいますが、その観点でのリスクとリターンは見合っているでしょうか。そんなことはないと思います。

    CFの分析

    以下は2019年度の第3四半期決算短信におけるCFについての項目です。

    (3)当期のキャッシュ・フローの概況
    当第3四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は535百万円減少し、当 第3四半期連結累計期間末の残高は1,444百万円となりました。 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)-
    当第3四半期連結累計期間において、営業活動により獲得した資金は前年同期より360百万円減少し、1,984百万 円となりました。これは主として、減価償却費及び償却費が1,882百万円と前年同期に比べ1,391百万円増加した一 方、税引前四半期利益が1,865百万円と前年同期に比べ1,149百万円減少したことなどによるものです。

    (投資活動によるキャッシュ・フロー) +
    当第3四半期連結累計期間において、投資活動により獲得した資金は210百万円(前年同期は684百万円の使用)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入が前年同期に比べ960百万円増加したことなどによるものです。

    (財務活動によるキャッシュ・フロー) -
    当第3四半期連結累計期間において、財務活動により使用した資金は前年同期より1,166百万円増加し、2,729百万円となりました。これは主として、リース負債の返済による支出が前年同期に比べ1,374百万円増加したことによるものです。

    注目したいのは、財務CFがマイナス、投資CFがプラスに出ている点です。一般的に企業が成長する際は借り入れで資金調達をするため財務CFはプラスになり、投資を積極的に行うと投資CFはマイナスになります。今期の特徴から言えることは、資金を温存し蓄えているのではないか、ということです。ではその資金を今後何に使うのか?事業内容を整理すると、

    • M&Aしたopenworkとのシナジー
    • キャリアスクール事業で育てた人材を派遣事業に回す

    直近で何か動きがあるとすればこの辺りなのではないかと推測できます。読者の皆さんも何かしら仮説を立てて企業分析してみると面白いと思います。

    情報は鵜呑みにしない

    ここまで書いてきた内容はIR短信から得られる情報をもとに、予想される事項が多いです。この記事を含めて、何となく信じられないと感じるものがあれば、一次情報であるIR情報を合わせて読んでみてください。評判サイトや企業の方との対話では知りえない情報も載っているかもしれません。
    最後におさらいをします。

    • 時代の流れを読んだ結果「モチベーション」に着眼している
    • IFRSを導入するなど、海外進出も考えている
    • 高給取り向けではないがやりがいを感じて仕事がしたい人には向いている

    総合的に考えて、リンクアンドモチベーションは自信をもっておすすめできる企業であると言えます。興味を持っていただいた方はリンクアンドモチベーションのHP・IR情報も見てみてください。

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