転職に伴う引っ越しの流れとポイント!お金がないときの対処法も解説
転職後の勤務先住所が現在住んでいるところから離れた場所でもかまわないという前提で転職先を探している人も、あえて現在の住所から離れた場所で仕事を探そうと考えている人も、内定が出たら引っ越しをする必要があります。
「どんなスケジュールで引っ越しをするんだろう?」「費用はいくらぐらいかかるんだろう?」と分からないことも多いですよね。
今回は転職に伴う引っ越しのスケジュールや手続き、費用について解説します。
引っ越し費用がないときの対処法も解説していますので、引っ越し費用でお悩みの方もぜひ参考にしてください。
目次
転職に伴う引っ越しのタイミングは転職の後に!
基本的に、引っ越しは転職先の内定が出てから行います。
仮に内定前に引っ越しをした場合、引っ越し先に近い職場で働けるとは限りません.
さらには、収入の目安も分からないので、実際の収入に見合わない部屋を借りてしまう可能性もあります。
また、退職して無職の状態で引っ越しをしようとすると、審査が通らないこともあります。
転職と引っ越しのスケジュール
具体的に、どのようなスケジュールで引っ越しを行うのか見てみましょう。
物件の目星を付けておく
特別な事情がないかぎり、実際の引っ越しを行うタイミングは内定が出るまで待つことが望ましいです。
とはいえ、内定から入社までの日数が短く、引っ越しの準備に十分な日数が取れないというケースも考えられます。
そのため、内定が出た時点であわてずに済むよう、1次面接を通過したタイミングで、新しい勤務先を想定して引っ越し先のエリア候補と物件の情報収集を開始しておくと良いでしょう。
住んでいるところから離れているエリアでも、インターネットで探せばたくさんの物件が出てきます。
また、現住所からかなり遠い場所への転職先を考えていて、面接で1回会社を訪れるだけで交通費がかさむという場合は最終面接の際にいくつかの部屋の内見をすることを検討してもよいかもしれません。
交通費や移動時間の節約になりますし、内定が出た後スムーズに引っ越しの準備に入ることができます。
内見をするだけであれば無料ですし、内見をした物件は契約をしなければならないということもありません。
ただし、基本的には正直あまりお勧めできません。面接の開始と終了の時刻がずれる可能性もあり、内見の時間調整に支障が出る懸念があるからです。

ワンポイントアドバイス
物件の候補を検討する際、家賃や物件の間取りや設備などばかりに目が行きがちですが、通勤に実際どのくらい時間がかかるのか、できれば実際の通勤を想定して試し通勤をしてみると良いでしょう。
朝のラッシュの込み具合や、帰宅時の時間帯に最寄り駅からの帰り道に店が開いているかなど、望むライフスタイルに合う生活ができそうかを事前に確認してから決めれば、引っ越し後の生活をスムーズにスタートでき、仕事に集中しやすい環境を整えることができますよ。
出社日と引っ越し日の決定
内定後に物件を決めたら、新しい職場に出社する日と引っ越しをする日を決めます。
引っ越しをする日は初出社の日に合わせて決めますが、引っ越し後も様々な手続きをしなければなりません。
したがって、最低でも初出社の1週間前には引っ越しを済ませておくのが理想的です。
荷造りや引っ越し業者の申し込みは内定を受けることを先方に伝えたらすぐに始めましょう。
内定受諾を先方に伝えた後、現在の勤務先の上司または人事に退職の意向を伝えて退職日を調整することになります。
その際、退職日(最終出社日)までの残りの日数は、現職の引継ぎに追われて多忙な日々になるでしょう。
したがって、荷造りを自分自身で行い荷物の運送のみを業者に依頼する場合は、転職先への初出勤に間に合わせるためには、荷造りや掃除等を含めた引っ越しの準備を計画的に行う必要があります。
3月、4月は引っ越しのピークで引っ越し業者の予約が取りづらくなるので、特に早めの行動をするようにしましょう。
転職に伴う引っ越しの手続き
引っ越しをするときには、様々な手続きが必要になります。
手続きに漏れがないように、チェックリストを作成して確実に手続きを済ませましょう。
役所への手続き | 転出・転入届 |
---|---|
印鑑登録 | |
ライフライン | 電気・ガス・水道 |
インターネット、携帯 | |
銀行、クレジット | |
郵便物 | |
車 | |
保険など |
役所への手続き
引っ越し前後でまずしなければならないのが、役所への手続きです。
最優先で行いましょう。
転出・転入届
新しい住所で転入届を出すためには、まず今住んでいる市区町村で転出届を提出して、「転出証明書」をもらう必要があります。
印鑑と本人確認書類を持って、市区町村の役場で手続きをします。
引っ越し日の2週間前から手続きができる市区町村が多いようですが、いつから手続きができるかは事前に確認をしましょう。
転出証明書は前の住所を証明できるものなので、コピーを取っておきましょう。
引っ越しが完了したら、新しい住所で転入届を提出します。
転出証明書と印鑑、本人確認書類、持っている場合はマイナンバーカードや住基カードも持って新しい住所の管轄の役所で手続きをします。
引っ越し完了から2週間以内に手続きをしなければならないので、注意しましょう。
また、住民票が手続きで必要になることがあるので、合わせて何枚か発行しておくと便利です。
印鑑登録
転出届を提出した段階で登録してある印鑑も失効しますので、新しい住所の市区町村で印鑑登録が必要な場合は転入届と合わせて手続きします。
印鑑と本人確認書類を持って、印鑑登録申請書を提出すると手続きができます。
ライフライン
生活に必要な様々なライフラインも手続きをします。
手続きに漏れがあると生活に支障がでますので、しっかりチェックしましょう。
電気・ガス・水道
電気・ガス・水道の手続きは引っ越し前に完了させます。
インターネットから手続きをすることができます。
お客様番号などの管理番号が必要になりますので、請求書や検針票を用意して手続きをしましょう。
尚、賃貸の場合、物件によっては大家さんや管理会社で所定の手続きを促されることがありますので、その場合はその指示に従って手続きする必要があります。
- 電気
利用開始・停止の3日前までを目安にインターネットで手続きをします。
期日を過ぎた場合は電話での手続きが必要になります。
立ち合いなどは特に必要ありません。
- ガス
利用開始・停止の前日までを目安にインターネットで手続きをします。
ガスは利用停止、開始に立ち合いが必要になるので、作業員が訪問する日時も合わせて決めます。
- 水道
利用開始・停止の3~4日前までを目安にインターネットで手続きをします。
立ち合いは必要ありませんが、利用開始時は自分で水道のメーターボックスの中にある水止め栓を開けます。
インターネット、携帯
インターネット、携帯の手続きに関しても引っ越し前に完了させます。
インターネットに関しては新居での工事が必要なケースもあり、そもそも今使用している回線が使えない場合もあるので早めに確認しておきましょう。
- インターネット
インターネットや電話で移転の申し込みをすると、利用開始に必要な書類が郵送で届きます。
その後、新居で開通工事をして回線の移転が完了します。
- 携帯
インターネットや電話、ショップ店頭で住所変更の手続きをします。
ショップ店頭での手続きには印鑑や本人確認書類が必要になるので、インターネットや電話での手続きがおすすめです。
銀行、クレジット
インターネットや電話、窓口で住所変更の手続きをします。
銀行口座に関しては、インターネットバンキングを申し込んでいればインターネット上で手続きが完了しますが、それ以外の場合は申込書を郵送や窓口で提出して手続きします。
クレジットカードに関しては、ほとんどの会社でインターネット上で手続きをすることができます。
そのほか、電話での手続きや郵送での手続きで対応することもできます。
郵便物
郵便局の窓口で転居届を提出すると、前の住所に届いた郵便物を届出日から1年間、新しい住所に転送してもらえます。
本人確認書類と前の住所が分かる書類を持って、新しい住所の近くの郵便局で手続きをします。
窓口に行く時間がない場合は郵送・インターネットで手続きをすることもできます。
車
車を持っている人は、車検証と免許証の住所変更手続きが必要になります。
- 車検証
新住所の管轄の陸運支局で、引っ越し後15日以内に手続きをします。
必要なものは、住民票、自動車保管場所証明書、自動車検査証、印鑑、手数料納付書、自動車税・自動車取得税申告書、ナンバープレートです。
- 免許証
新住所の管轄の警察署で、運転免許記載事項変更届を提出します。
必要なものは運転免許証、住民票の写しです。
保険など
そのほか生命保険などを契約しているときは、それぞれで住所変更の手続きが必要になります。
保険会社によって必要な書類が変わりますので、事前に確認しましょう。
引っ越しを伴う転職の注意ポイント
引っ越しが必要な転職で、必ず押さえたいポイントが2つあります。
ポイント①転職と引っ越しは同時進行させない
転職も引っ越しもとても時間と労力を要するイベントですので、同時進行させるとどちらも中途半端になってしまう可能性が高いです。
また、選考を受ける際に住所を提出しますので、選考途中では住所は変わらない方が望ましいです。
住み慣れた家でしっかりと転職活動をしてから、引っ越しに臨みましょう。
ポイント②入社日には余裕を持たせる
引っ越し後は荷解きや必要な手続きでとてもバタバタしますので、入社日には可能な限り余裕を持たせましょう。
転職先の勤務地やあなたの事情によって引っ越しが必要という事情を会社側も考慮してくれる可能性があります。
入社日を決める際には、先方の希望にも配慮しつつ、引っ越しのことも念頭に置いて慎重に検討するようにしましょう。
転職に伴う引っ越しの費用はいくらぐらいなのか
引っ越しに際して多くの人が気になるのが、「一体いくらかかるのか」ということです。
高いと言われている引っ越し費用ですが、具体的にどれぐらいかかるのか見ていきましょう。
引っ越し費用は家賃の半年分が目安
引っ越しにかかる費用は、ざっくり家賃の半年分と言われています。
家賃が7万円であれば42万円が目安になります。
大体40万〜50万円は必要になるケースが多いです。
具体的に次のような費用がかかります。
敷金・礼金
引っ越し費用で大きな負担になるのがこの敷金、礼金です。
地方や物件によって差はありますが、どちらも家賃の1〜2ヶ月分を入居時に支払わなければなりません。
退去費用
すでに実家を出て生活している場合は、住んでいる部屋の退去費用が発生します。
敷金で相殺されて返金されるケースもありますが、7万~12万円ほど支払っているケースが多いようです。
引っ越し費用
引っ越しの距離や時期によって大きく変わってきますが、6万〜15万円ほどかかるケースが多いようです。
費用が安い業者を探したり、自分でできることは極力自分でやることで引っ越し費用を下げることもできるので、見積もりは必ず複数の業者から取りましょう。
お金がないと転職はあきらめなきゃダメ?引っ越し費用がないときの対処法
預金が少なくて、引っ越しの費用がどうしても出せそうにないと言う人のために、確認してほしい3つの対処法があります。
対処法①転職先の会社に確認すること
まず転職先の会社から受けられる福利厚生がないか確認しましょう。
費用負担はあるか
会社によっては家賃負担や引っ越し費用の補助があるので、内定が出て引っ越ししなければならないことが決まったら、まず確認しましょう。
社宅や寮はあるか
社宅や寮が用意されている会社もあります。
初期費用を大きく抑えられる上に、月々の家賃負担も少なく済むのでこちらも確認します。
不動産業者は紹介してもらえるのか
費用の負担や社宅・寮はなくても、提携の不動産屋業者を紹介してもらえるケースがあります。
敷金や礼金が割引になる場合があるので、こちらも確認しておきましょう。
対処法②受給できる・借りられるお金がないか確認する
国の制度などを利用して、給付金が受給できるケースがあります。
再就職手当を受給する
次の条件を満たすと、再就職手当をもらうことができます。
数十万受給できるケースもあるので、受給対象の場合は必ず手続きをしましょう。
ハローワークで手続きができます。
- 失業保険受給の手続き後、7日間の待期期間を満了後に就職している
- 失業手当(基本手当)の支給残日数が3分の1以上残っている(就職日の前日まで)
- 就職した会社が、退職した会社と密接な関係がない
- 自己都合退職で3ヶ月の給付制限がある場合、1ヶ月目はハローワークもしくは人材紹介会社の紹介で就職を決めている
- 再就職先で1年以上雇用される見込みであること
- 雇用保険の被保険者となっている
- 過去3年以内に再就職手当、または常用就職支度手当の支給を受けていない
- 受給資格決定の前から、採用が内定していた会社ではない
自治体の自立支援制度を利用する
経済的に困窮している人に対して、各自治体で支援制度が用意されていることがあります。
就労や住居に対する支援をして、最低限度の生活を維持させるための制度ですので、今住んでいる住所の管轄の自治体に相談してみましょう。
移転費を受給する
次の条件を満たすと、引っ越し費用が雇用保険から負担されます。
- 失業手当を受給している(待機期間中や給付制限期間中はNG)
- ハローワーク経由での再就職
- 再就職に伴って引っ越しが必要と判断される
借金をする
あらゆる方法を検討しても、どうしても費用が捻出できないときはお金を借りることになります。
家族や友達に頼む、カードローンなどの方法がありますが、借金はしないに超したことはありません。
どうにもならないときの最終手段として使います。
対処法③引っ越しの費用を抑える
引っ越しの費用そのものも減らせないか、見直しましょう。
敷金・礼金ゼロの物件を探す
最近では、敷金や礼金ゼロの物件が少しづつ増えてきています。
敷金・礼金の必要がなくなれば、初期費用の大幅な削減につながるので不動産屋などで相談してみましょう。
マンスリーマンションやシェアハウスの利用
一時的に、マンスリーマンションやシェアハウスで費用を貯めるという方法もあります。
敷金や礼金がないので、初期費用を安く抑えられます。
家具や家電は備え付けられているので、初めてのひとり暮らしで家具や家電も買わなければならない人にもおすすめです。
初期費用が分割できるか確認する
基本的には敷金や礼金、引越し業者への支払いは現金での一括払いですが、カードでの分割払いができるケースも増えてきました。
分割払いなら無理なく支払いが出来るので、こちらも不動産業者などに相談してみましよう。
複数の引っ越し業者から見積もりを取る
先程も説明しましたが、選ぶ引越し業者やメニューによって料金が大きく変わります。
荒業にはなりますが、荷物が少ない場合は業者に頼まずに自分で運ぶという手もあります。
よくよく検討して一番安く済む方法を選びましょう。
引っ越しの「お金」、どう確保する?
本記事では、転職に関するお金について詳しく解説してきました。
しかし、引っ越しで発生する費用がわかったとしても、そのお金をどう確保するのか悩んでいる方もいるでしょう。
1つは「お金を借りる」という方法であり、以下の記事で詳しく解説しています。(他サイト移動)
併せてこちらもチェックしましょう。
まとめ
転職に伴う引っ越しや費用について解説してきました。
「転職」と「引っ越し」という大きなイベント。
2つとも成功できるように、無理のない計画を立ててこなしていきましょう。

監修者コメント
転職に伴う引っ越しを考える場合、これまでのライフスタイルを大きく見直すチャンスととらえて計画してみましょう。
例えば、引っ越しを機会に外食中心の生活から自炊中心にして、健康的な生活リズムを整えたり、これまで通えなかったジムに通ったりするなどもできるかも知れません。
また、新しく住む街のイベントを通して新しい趣味や仲間と出会い、より充実したプライベートの時間の過ごし方を見つけることもできるかも知れませんよ。