転職者の年末調整!あなたはどのパターン?3STEPチャートで整理
いつもは会社に任せている年末調整。
転職した年の年末調整は、自分で確定申告をしなくてはならないことがあります。
しかし、「年末調整って何したらいいの?」「確定申告はしないといけない?」「言葉も難しいし調べてもよく分からない…」といった、漠然とした焦りがありませんか?
この記事では、調べてもイマイチ分かりづらい転職者の年末調整について、フローチャートで見やすく整理!
それぞれのパターンで必要な手続きについてまとめました。
これから転職する人にもやったほうが良いことがあるので確認してみてください。
目次
転職でも必要な年末調整とは
転職に伴って、年末調整についていくつか知っておくべきことがあります。
年末調整とは「仮払いしていた税金と実際に払わなければならない税金の差額を調整する」ことです。
いわゆる源泉徴収との差額をしらべ、余分に払っていたらお金が返ってきたり、足りなければ追加徴収などが行われたりします。
普段は雇用主である企業がまとめて管理しているため、意識していないかもしれませんが、転職した年は注意が必要です。
基礎的な事項についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご参照ください。
年末調整の基本事項、もっと知っておきたい?
キャリアの海は、年末調整の基本事項について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてくださいね。
転職者のための年末調整フローチャート
それではまず、こちらのフローチャートで大筋の流れを確認してみてください。
それぞれのフェーズで必要なもの、手続きについて、一つずつ掘り下げていきます。
- 源泉徴収票はもらっているか
- 退社~入社までの期間は空いているか
- 給与の支払い日は年内か
1. 源泉徴収票はもらっているか→Yesの場合「2. 退社~入社までの期間が空いているか」へ
年末調整において、前職の源泉徴収票は必要不可欠です。
年内に複数回転職している場合は、すべての会社での源泉徴収票をそろえる必要があります。
たとえ転職先の年末調整する体制が整っていても、源泉徴収票がなければ年末調整を行うことができません。
以下の方法で入手してください。
↓No
前職場に請求する
手元にないという方は、まず前職場に問い合わせてみましょう。
企業も年末調整などに追われて、送付し忘れている可能性があります。
大概の場合は、問い合わせた時点で送付してくれるはずです。
↓No
源泉徴収票不交付の届出手続
問い合わせても取り合ってくれないなど悪質な対応を取られる場合は、税務署にて「源泉徴収票不交付の届出手続」を行いましょう。
税務署からの行政指導が入るので、源泉徴収票を強制的に送らせることができます。
年末調整に間に合わない場合
年末調整にどうしても間に合わない場合は、翌年2/16~3/15の期間に自身で確定申告をする必要があります。
2. 退社~入社までの期間が空いているか
退社してから入社まで、さまざまな準備のために休職期間をとる人も少なくありません。
年末調整の観点からみると、やるべき手続きがいくつかあります。
場合によっては還付金としていくらか手元に返ってくることもあります。
還付金
還付金とは、支払っている税金のうち、納税者に返されるべきお金のことです。
一般的には源泉徴収で先に仮払いした税金と確定した税金の差額のことを指す場合が多く、「還付申告」をすることで還付してもらうことができます。
確定申告を行うことで還付申告をしていることになるので普段は必要ありません。
ですが、転職した年に関しては企業が認知していない控除がある場合があるので、還付申告が必要になってきます。
確定申告が翌年2/16~3/15と期間が定められているのに対し、還付申告は5年前まで遡って申告することができます。
↓Yes
国民年金・国民健康保険の支払いがあるか
退社してから入社するまでが空いていると、国民年金・国民健康保険を支払っている場合があります。
自分がいくら納付しているかを知るには、「納付時の領収書」や、口座振替の場合1月に送られてくる「口座振替済明細通知書」をご確認いただくか、国民年金は最寄りの年金事務所へ、国民健康保険はお住まいの市区町村へそれぞれ電話で問い合わせるなどの方法があります。
納付が確認できた場合に、還付申告が必要になってくるのです。
給与の支払い日は年内か
確定申告が必要かどうかの基準となる部分です。
企業にとって、必要な書類が提出されており、その年の最後の給与の支払いがある人の年末調整に関しては、行う義務があります。
給与の支払い日を確認しましょう。企業が労働者の年末調整を行うかの判断基準は、
- 必要な書類(源泉徴収票・扶養控除等申告書)はそろっているか
- その年最後の給与の支払いが自社か
したがって、入社日が直接関係してくることはありません。
転職での年末調整のよくある悩み
フローチャートを見ていただいた上で、やっぱり自分がどこに該当するか分からないという方もいるでしょう。
よく挙がる疑問についてお答えしていきます。
①11月に退職して11月/12月に入社、転職先の給与支払いは翌年の場合
基本的に、その年最後の給与を支払った会社が年末調整をすることになっていますが、前職はすでに退職しているため、自分で確定申告をする必要があります。
また、その年最後の給与支払い日の後にボーナス等の支払いがあった場合は、翌年の年末調整に必要になるので転職先に源泉徴収票を提出する必要があります。
支払いが特にない場合は、提出する必要はありません。
②12月に退職して12月に入社の場合
基本的には①と一緒です。
ただし、退職日と給与支払い日によっては確定申告をしなくてもよいことがあります。
それは、給与支払い日の後に退職日を設定している場合です。
この場合、制度上前職場が年末調整を行ってくれます。
前職場と相談して退職日を設定しましょう。
自身で確定申告をしたくない場合はこの方法がおすすめです。
③12月に退社、1月に転職した場合
前職の給与の支払い日が翌年にある場合、翌年の年末調整にその情報が必要になります。
源泉徴収票を提出し、年末調整をしてもらいましょう。

監修者のワンポイントアドバイス
退職したときには、すぐに源泉徴収票を会社から取り寄せるようにしましょう。
特に年が変わるタイミングでの転職では、面倒だと思って手続きを怠ることのないようにしましょう。
また、転職直後ですと、自己管理能力を見られている可能性があるので、前職や転職先とのトラブルにならないためにも確定申告は忘れずに。
転職でも気を付けたい確定申告の手順
ここまで様々な場合を紹介してきましたが、年末に転職をする場合、結局自分で確定申告をすることになることが少なくありません。
この項では確定申告の手順を軽く説明します。
確定申告の手順、もっと知っておきたい?
キャリアの海は、確定申告の手順について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
こちらもぜひ参考にしてくださいね。
必要な書類
確定申告に際して必要になってくる書類が必要です。
また、事前に提出しておかなければならない申告書もあるので確認しておきます。
ここでは最低限のものを挙げているので詳しくは別記事をご参照ください。
- 扶養控除等(異動)申告書
- マイナンバー
扶養控除等(異動)申告書
扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初の給与支給日の前日までに提出することが必要な書類です。
転職した際には、転職先の最初の給与支給日までには出さなくてはいけません。
忘れないうちに提出しましょう。
マイナンバー
令和元年12月現在、確定申告には「マイナンバーの記載」と「本人確認書類の提示又は写しの添付」が必要です。
マイナンバーカードがある場合はマイナンバーカードのみで問題ありませんが、ない場合は以下の2種類が必要になります。
- 通知カードや住民票の写しなどのマイナンバーが確認できるもの
- 運転免許証などの本人確認のできるもの
還付申告について
還付金の項目で既に書きましたが、納めすぎた税金を還付してもらうための申告手続のことを還付申告と呼びます。
確定申告が翌年2/16~3/15と期間が定められているのに対し、還付申告は5年前まで遡って申告することができます。
国民年金や国民健康保険の支払いがある人はこの申告を忘れないようにしましょう。
年末調整は手順を追えば怖くない
本記事を読んでいただいた皆さんは、自分の場合どんなことをすべきか、ということが整理できたのではないでしょうか。
転職という大きな転機にやらなければならない手続きがあることは、多少めんどうだと感じるでしょうが、一歩ずつ進めていきましょう。

監修者コメント
年末調整は、所定の書類を提出すると会社がやってくれるものなので転職しなければあまり意識しないことかもしれません。
ただ、転職するタイミングによっては、自分で確定申告をしなければいけない場合もあります。
確定申告自体は難しく感じるかもしれません。
どうしてもわからなければ、「キャリアの海」の関連記事を参照する、あるいは、最寄りの税務署や国税庁に問い合わせる等して、忘れずに済ませるようにしましょう。