仕事を辞めてから転職したい!20代が知るべきこと・今できること
転職を考えるとき、「仕事を辞めてから転職活動をする」か「働きながら転職活動をするか」で迷う人は多いです。
基本的には働きながら転職活動をする方がメリットが多いと言われますが、辞めてから転職した方がいいケースもあります。
辞めてから転職活動をする場合はどんなリスクがあるかを理解して、辞める前に準備をしておく必要がありますね。
目次
辞めてからの転職は不利!転職先が決まってから退職が基本
何か特別な理由や事情がない場合は、在職中に転職活動を進めて、転職先が決まってから退職するのがおすすめです。
仕事を辞めてからの転職はデメリットの方が多く、無職の期間が長くなると選考にも不利になるので、よほどの理由がない限りは避けるべきです。
なぜそう言えるのか、それは仕事を辞めてからの転職には多くの人に当てはまる明確なデメリットがあるからです。
これから解説していきますね。
仕事を辞めてからの転職する4つのデメリット
仕事を辞めてから転職活動をする場合は、これら4つのデメリットがあることを頭に入れておきましょう。
辞めてから転職する4つのデメリット
- 収入が途絶える
- 職歴にブランクができる
- 今の仕事を続ける選択肢がなくなる
- 生活のリズムが乱れる
デメリット①収入が途絶える
仕事を辞めてからの転職する際の最大のデメリットは、収入が途絶えてしまうことです。
貯金が少ない場合は、生活するのが難しくなるので落ち着いて転職活動をすることができません。
収入面での不安を抱えたまま転職活動をすると、早く仕事を決めなければいけないという焦りが生まれます。
この結果、条件を大幅に妥協してしまったり、希望ではない仕事で決めてしまうということが起こりがちです。
デメリット②職歴にブランクができる
無職の期間が長くなると職歴にブランクができてしまい、選考に不利になります。
ブランクが長くなると、企業は以下のように疑念を抱くようになります。
- 積極的に働く気がないのではないか
- 能力が低いから仕事が決まらなかったのではないか
- 計画性に乏しいのではないか
- 仕事の勘がにぶっているのではないか
3か月ぐらいまでのブランクであれば企業も大きな問題とは感じませんが、それ以上になると「資格の勉強をしていた」「家族の介護をしていた」など、採用担当者を納得させるような理由が必要になってきます。
デメリット③今の仕事を続ける選択肢がなくなる
仕事を辞めてしまうと「今の仕事を続ける」という選択肢がなくなってしまいます。
転職活動をする中で、「今の会社で働き続けてもいいかな…」と考えが変わることは少なくありません。
特に、実際に応募した企業で面接を受けてみると、他の企業の状況も現在の勤務先の状況もそれほど変わらないことに気づかされたり、むしろ今の自分の職場環境のほうが恵まれていることを認識するということはよくあることです。
また、職場への不満から転職しようとしていたが、社内で異動ご検討することで転職する必要がないことに気づく場合も珍しくないのです。
デメリット④生活のリズムが乱れる
仕事を辞めて転職活動を始めても、毎日面接などの外出する用事が入ることはほとんどありません。そうするとどうしても気が緩みがちになって生活のリズムが乱れがちになります。ひどい場合だと朝起きられなくなって体調を崩してしまい、こうなると転職活動どころではありません。
失敗した人の体験談

26才/男性/Webディレクター
Webディレクターの仕事が激務で、将来にも不安を抱えていたので仕事を辞めました。
そこから半年ぐらい無職生活を送りました。
もともと夜型だったこともあって、「朝起きて会社に行く」という制約が外れてあっという間に夜型になってしまいました。
時折面接も入ったのですが、朝起きられなくて面接をすっぽかしてしまうということが何回かありました。
朝なんとか起きられても、頭がぼーっとして回らない。
このままじゃいけないと思って、生活を朝型に戻すところから始めたのですが、出不精なのもあって結構大変でした。
仕事を辞めてからの転職する3つのメリット
仕事を辞めてから転職をすることのメリットもあります。
仕事を辞めてから転職活動をする場合は、これら4つのデメリットがあることを頭に入れておきましょう。
辞めてから転職する3つのメリット
- じっくり腰を据えて転職活動ができる
- 仕事に振り回されることなく転職活動ができる
- すぐに働き始められる
メリット①じっくり腰を据えて転職活動ができる
仕事を辞めてから転職することの一番のメリットは、じっくり腰を据えて転職活動ができることです。
働きながらだと転職活動の時間が取れなかったり、落ち着いて将来のキャリアプランについて考える余裕がなかったりします。
しかし仕事を辞めることで、時間を掛けて転職活動に取り組むことができます。
メリット②仕事に振り回されることなく転職活動ができる
仕事を続けながらの転職活動では、仕事が忙しかったり休日出勤や残業が多かったりして、面接などに行く時間が取れないことがあります。
折角面接を入れていたのに、仕事の都合で泣く泣くキャンセルすることも。
仕事を辞めた場合は、仕事に振り回されることなく転職活動に臨めますね。
メリット③すぐに働き始められる
急募の求人では、すぐに働き始められることが選考に有利に働くことがあります。
面接ですぐにでも働きたいことをアピールして、やる気を見せることもできます。
仕事を辞めてから転職した人の失敗談・成功談
仕事を辞めてから転職した人の体験談をご紹介します。
「成功事例」と「失敗事例」の両方がありますので、それぞれ参考にしてください。
勢いで辞めてしまった!待っていたのは燃え尽き症候群

26歳/女性/システム開発
上司とそりがあわなくて、会社の方針にもついていけなかったので転職を考えていました。
あるプロジェクトでちょっとしたミスを起こしてしまって、上司から注意を受けました。
いつもなら耐えられるぐらいの小言なんですけど、そのときは耐えられなくて… 勢いで「退職します」と申し出てしまったのです。
退職してからが大変でした。
急に燃え尽き症候群のようになってしまって、何も手につかなくなってしまったのです。
毎日ただ寝ているだけ。
心配した姉に病院に連れて行ってもらったのですが、姉がいなかったらと思うとぞっとします。
今思うと仕事をしているときから体の不調は感じていたので、休職という道もあったかなと思います。
何とか立ち直って少しづつ転職活動始めていますが、失業保険が下りるまでは実家に援助をしてもらったりして迷惑を掛けてしまいました。
仕事のストレスが限界になり、勢いで退職してしまったパターンです。
このケースでは退職後に体調を崩してしまい、すぐに転職活動を始められませんでした。
現職中に休職をしたり部署移動ができていれば、仕事を辞めずに済んだかもしれません…。
すぐに決まると思ったのに…なかなか決まらなくてどんどん追い詰められる

24歳/男性/営業
新卒で入った会社で、営業として1年半働いていました。
久しぶりに学生時代の友人に会ったら、やりがいのある仕事をしていて給料も自分よりずっともらっている。
「もっといい会社があるんじゃないか?」と思ってしまったんですね。
求人を見ても営業の求人はたくさんあるし、まだ若いからなんとかなるだろうと思い、退職しました。
すぐに次が決まると思っていたので、退職前はほとんど準備はしませんでした。
旅行とかでリフレッシュして、いざ転職活動を始めてみると全然決まらない。
自分が思い上がっていたことにここで気づきました。
貯金もどんどん減っていくし、すごく焦りました。
転職エージェントとも相談して、条件を下げてなんとか内定をもらいましたが、「前の会社の方がよかったんじゃないか」という後悔が消えません。
あまり深く考えずに辞めてしまったパターンです。
若いと仕事はいくらでもあると思いがちですが、しっかり準備をしていないとなかなか希望の仕事にはありつけません。
このケースでは最終的に条件を下げて転職をし、不満が残る結果になってしまいました。
職場でのいじめが辛い・・・仕事を辞めて心機一転

25歳女性/販売
販売として働いていて仕事も好きだったのですが、ある日突然無視されたり陰口を言われたりするようになりました。
理由は今でも分かりません…。
最初は気にしないようにしていたのですが、だんだん辛くなってしまって。
仕事にも支障が出てきたので、結局退職しました。
特にやりたいこともなかったのですが、ハローワークに行ったとき職業訓練校の募集をしていて、PCの勉強をしてみたいと思っていたので申し込んでみました。
ラッキーなことに入学できたので、失業保険をもらいながらPCの勉強をしました。
勉強してみるとすごく楽しくて。これを活かした仕事がしたいなと思いました。
訓練校の先生にもいろいろ相談できて心強かったです。
就職活動はちょっと苦労したのですが、今は営業事務の仕事をしています。
仕事もやりがいがあるし、会社の人もみんないい人で毎日楽しいです。
仕事を辞めてからの転職で成功したパターンです。
職場のストレスで体調を崩す前に退職して、職業訓練校で新たなキャリアを切り開くことができました。
要注意!辞めてからの転職をおすすめしない人4選
それぞれの事情で、仕事を辞めてから転職活動を始めようと思う方は少なからずいると思います。
しかし、以下の項目に当てはまる方には特に、仕事を辞めてからの転職活動はおすすめできません。
自分が当てはまる項目がないかぜひチェックしてみて下さい。
辞めてから転職すべきでない人4選
- 金銭的に余裕がない人
- 社宅や寮に住んでいる人
- 第二新卒の人
- ちょっと休んでから転職活動をしたいと思っている人
①金銭的に余裕がない人
貯金が少ない人は、転職活動に失敗するリスクがとても大きいので、仕事を辞めてからの転職をおすすめできません。
自己都合退職の失業保険が支給されるまでに最短でも3カ月かかるため、最低でも3~4か月分の生活費が必要です。
さらに、転職先が決まったとしても最初の給料を受け取れるタイミングはそこから更に1カ月先になることを考えると、これでも十分とは言えません。
②社宅や寮に住んでいる人
社宅や寮に住んでいる人は、退職することで引っ越しをする必要が出てきます。
時間と労力・費用を、転職活動だけでなく引っ越しにも同時に使わなければならなくなってしまいます。
転職も引越しも、ストレスのかかる大変なイベントなので、同時に発生させることは極力避けたほうが良いでしょう。
引越しの必要がある場合は転職先が決まってから、退職・引越しと進む方が望ましいです。
③第二新卒の人
第二新卒の人は職歴が浅く、転職活動に慣れていないことなどの理由により、転職期間が長引くことがあります。
特に、数カ月での早期離職の経歴がある場合、企業側としては「またすぐに辞めてしまうのではないか」という心理が働き、選考上不利となってしまう可能性もあります。
④ちょっと休んでから転職活動をしたいと思っている人
仕事を辞めてから転職活動を始めようとする人の中には、「なんとなく疲れてしまったから少し休んで転職活動を始めようかな」と、特に明確な理由や目的もなく辞めてしまう人もいます。
このような場合だと、なかなか転職活動を始めずに空白期間だけがずるずると伸びていく、というケースが少なくありません。
逆にこんな人は仕事を辞めてからの転職がおすすめ!
一方で、特別な事情がある場合には、仕事を辞めて転職活動に集中するほうが良い結果を得られやすい場合もあります。
- 仕事が原因で心身に不調をきたしている人
- 面接に行く時間が全く取れない人
- スクールなどに通う必要のある資格が必要な人
①仕事が原因で心身に不調をきたしている人
仕事や職場の人間関係が原因で体調が悪くなってしまった人は、まずは療養して体調を回復させることが先決です。
場合によっては、休職して会社を辞める前に体調を回復させることができる場合もあるので、こういった制度も活用してまずは体調を戻すことに専念しましょう。
②面接に行く時間が全く取れない人
仕事が忙しすぎて面接を入れる時間がない、入れても仕事の都合でキャンセルしなければならないという人は、一旦退職して転職活動をする方がよい場合もあります。
企業によっては平日の夜や土日に面接を設定してもらえる場合もあるので、うまくスケジュールを組めば働きながら転職活動が進められるケースも少なくありません。
③スクールなどに通う必要のある専門的な資格が必要な人
会計士や社労士など、専門的な歯科うを取得して独立などを目指す方で、経済的に可能な場合は、一度退職して資格取得と転職活動に専念した方がいいでしょう。
資格取得中にも転職活動は進めておくようにしましょう。
転職成功に導く、退職後すぐに転職活動を始める準備
どうしても仕事を辞めてから転職活動をしなければならない場合は、在職中から転職活動の準備を始めておきましょう。
経済的な負担と精神的な負担の両方の観点から、転職期間はできるだけ短く済ませた方がよいので、退職後すぐに動き始めることが重要です。
転職サイト、転職エージェントに登録する
在職中から転職サイトや転職エージェントには登録しておきましょう。
どちらもインターネットで登録ができます。
転職エージェントに関しては登録後に面談がありますが、平日夜や土日、電話面談で対応してもらえます。
特に転職エージェントに関しては、キャリアプランや書類の書き方などのアドバイスが受けられるので、転職の強い味方になります。
キャリアの海編集部は、転職を考えている皆さんに向けて、おすすめの転職エージェントを紹介しています。
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希望の業界や職種の目安をつけておく
希望の業界や職種を決め、可能であれば転職サイトなどで求人も探しておきましょう。
もし決められない場合は、転職エージェントに相談するとキャリア相談を受けられますよ。
履歴書、職務経歴書を準備しておく
応募書類の準備も、退職前に済ませておきましょう。
転職エージェントに相談すれば、書き方の指導をしてもらえますし、エージェントによっては添削もしてくれます。
職歴にブランクができた場合の伝え方
3か月ぐらいのブランクであれば企業は大きな問題とは感じませんが、ブランクがそれ以上になると採用担当者が納得できる事情や理由を説明する必要がでてきます。
例えば、
- 目標とするキャリアがあり、そのために資格の勉強をしていた
- 家族の介護が必要となり、自分がその役割を担っていた
などの理由はそれに該当する可能性があります。
ブランクがあったことの説明をする際は、現在はそのブランクを経てどのような状態になっていて、なぜ仕事がきちんとできる状態にあるのかを合わせて伝えることが大切です。
失業期間の収入を確保する
退職した会社からの給与のほかに収入がある場合を除き、失業保険が支給されるまでは無収入になります。
貯金がある場合であっても、何らかの収入があると精神的な安心にもつながるので、失業期間も無理のない範囲で収入を確保することをおすすめします。
失業保険や職業訓練について調べる
失業保険は基本的に給付制限期間が3か月あります。
しかし、次のような条件を満たす場合、給付制限期間が短くなります。
- 辞めるまでの6ヶ月のうちで、3ヶ月以上連続して残業時間が45時間以上を超えた
- 辞めるまでの6ヶ月のうちで、残業時間が100時間を超えた
- 辞めるまでの6ヶ月のうちで、連続した2ヶ月の平均残業時間が80時間を超えた
- 会社都合での退職
- 特定理由離職(派遣の期間満了、病気の療養など)
自分の離職理由が特定の条件に該当すると思われる方は、一度ハローワークに確認してみましょう。
また、失業期間中に職業訓練校に通う方についても、短い給付制限期間で失業保険の給付を受けることができます。
受給するための条件や入学時期が限定されていることや入学試験の受験が必要な場合もありますが、条件が合えば給付を受けながら勉強できるのが特徴です。
勉強したい分野の学校や学科がある場合は、入学を検討してみるのも良いでしょう。
単発のアルバイトや副業を探す
失業保険の給付制限期間中にアルバイトをすることは可能ですので、単発のアルバイトや副業をしてみるのも良いでしょう。
その場合の注意点として、
- 週20時間を超えてアルバイトをしないこと
- 雇用日数が31日以上にならないこと
以上の2点に注意しましょう。
まとめ
仕事を辞めてからの転職活動は事前にどれだけ準備ができるか、生活のリズムを崩さずしっかり活動ができるかが成功の鍵です。
転職エージェントやハローワークでは様々なアドバイスがもらえます。
こういったアドバイスを活用しながら、退職後できるだけ早く活動を開始しましょう。

監修者によるコメント
転職活動は仕事を辞める前に始めるほうがメリットが多いのは事実です。
ですが、業務過多の状態が続いてどうしても勤務しながらの転職活動ができない場合は、まず半日でもよいので有給休暇を取得することをお勧めします。
半日の有給休暇も自由に取得できない勤務状況が常態化しているような場合は、精神的にも肉体的にも苦しい状態になってしまう前に退職時期を検討し、計画的に転職活動を進めることが大切です。