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元記者の転職体験記ー1 

転職体験記 2019.04.19

30歳、それは人生を考える一つの節目。

そんな節目を前に、「自分って何なのだろう」と「大人の思春期」と格闘した元新聞記者の転職エントリーです。

これは僕の懺悔でもあり、同じ失敗をしないでほしいという願いでもあります。

 

「暗闇の荒野を突き進む覚悟がお前にあるのか?」

まだ雪が積もる1月下旬、田舎の駅前にある喫茶店に上司を呼び出しました。

 

「最近どうなんだ」

「まあぼちぼちやっていますよ」

「今日はどうした」

「3月で辞めさせてください」

 

何度も書き直した退職願を差し出し、上司に退職の意志を伝えました。

「なんでなんだ」と促され、私は仕事を辞める理由をポツポツと説明しました。

 

新聞記者を3年ほど経験し、何となく先が見えてしまった。特ダネ記者にはなれないし、面白い視点があるわけでもない。 原稿も下手で、これから自分が食べていける気がしない。生き残っていくために、キャリアを変えて道を切り開きたい。

 

また、事件事故を担当してきたが、気力も体力もきっと続かない。今はまだ全然大丈夫だが、30歳、40歳になって泊まり勤務があったり、夜中や早朝でも事件事故で呼び出されたりするような働き方はきっとできない、etc…。

 

今振り返ってみると、情けないくらい逃げている感じがしますが、偽らざる正直な気持ちなので仕方がありません。

これから先「新聞記者を辞めたい」と思っても、30歳を超えてしまうと辞めることは難しいだろうと予測していました。

動くなら、20代後半のうちしかないと思ったわけです。

幸い結婚もしていないため、身軽だったというか「失敗してもまあ何とかなるだろう」という意識もありました。

 

 

そもそも僕が新聞記者になろうと思ったのは、新聞が好きだったからです。

高校時代、政治経済を勉強することが好きだった僕を見て、当時の担任が「新聞を読むこと」を勧めてきました。

そこから僕は新聞を読み始めるようになり、「いつか記者になりたい」という夢を持つようになりました。

 

幸運にも僕は、新聞記者になるという夢を叶えることができました。

夢破れた方もたくさんいたでしょう。そういう方に対して、辞めるという選択をしたことに、本当に申し訳なく思っていて、懺悔するしかありません。

 

ただ勘違いしてほしくないのは、記者という仕事にやりがいや面白さもあり、今でも新聞は読んでいます。

しかし、自分には向いていないし、これから先続けられないと思ったのです。

3年ほど経験し、ある程度仕事のイロハは学ぶことができました。赴任先でも中堅として活躍が期待されていましたし、その期待にこたえようと日々奮闘していました。

ただ、長い原稿をバンバン書いている先輩や他社に先駆けて情報を取ってくる社内の同期の存在を見て、自分の能力の限界を感じてしまいました。

 

そして、泊まり勤務でボロボロになり、携帯電話が片時も離せず、携帯電話の幻聴が聞こえるようになり、体力や気力もこの先続かないだろうと思ってしまいました。

「自分の能力の限界」と「このまま仕事を続けていく自信がない」。

この2つが退職に至った理由です。

 

退職理由を説明すると、上司からは「仕事を続けてほしい」「お前は勘違いしている。ちゃんと記事を書いている。目標が高すぎるのではないか」と、2時間ほど引き留めにあいました。

「会社を出れば、暗闇の荒野が待っているかもしれない。お前にその覚悟があるか?」

最後にそんな問いかけをされ、その日は解散。後日再び話すことに。

 

この頃の自分を振り返ってみると、「思春期」の時と心の構造が似ている感じがします。

「自分とは何なのか」と10代の頃に悩んだように、「自分とは何なのか」「これでいいのか」と再び20代後半で悩み始めました。

30代、40代になり、こうした悩みを持ち始めることを「ミッドライフ・クライシス(中年期の危機)」と言うそうです。

 

「中年期の危機」が20代で来ることに絶望を感じえずにはいられませんが、そんな「大人の思春期」と向き合って格闘していました。

 

 

B級ゾンビ映画からの学び「人はいつか死ぬ」

それから数週間、自問自答の日々でした。

 

「大企業を出て果たしてやっていけるのか」

「苦労して入った今の会社を出るのか」

「このまま働き続けてれば、意外と何とかなるんじゃないか」

「担当している今の仕事に穴を開けることになる」

 

自分に何度も何度も問いかけましたが、全く答えは出ません。

悩んでいた時、ふとTVでB級ゾンビ映画を見ました。映画の中で、あっけないくらい多くの人が死んでいきました。

それを見て

 

「人はいつか死ぬ。細かいことを気にしないで、やらない後悔よりやって後悔しよう」。

 

と決意しました。名前も覚えていないようなB級ゾンビ映画に影響され、転職を決めたわけです。

 

そして、上司と再び面談し、「お前がそう決めたのなら応援する」と言われ、退職届を提出。

そこから先はジェットコースターに乗っているようにあっという間に過ぎ去っていきました。

退職手続きや仕事の引継ぎなどの雑務を行い、約1か月後、正式に退職。

怖いくらいあっさりしていて、正直会社を辞めたという実感が湧きませんでした。

 

 

「会社を退職する」という儀礼を終えてみると、直接伝えてよかったと思っています。

不安や恐怖などはありましたが、終えてみると非常にスッキリします。きちんと辞められたという満足感なのかもしれませんが。

どうやって退職を切り出したらいいか悩む方は多いかもしれません。

退職を切り出して死ぬわけではないので、ぜひ自らケリをつけてほしいと思います。

 

 

そんなこんなで新聞社を退職した後は、IT企業で働き始めまずが、驚きの連続でした。

 

え、パワポ?使ったことありません。

マインドマップ?スマップみたいなものですか?

社内が整理整頓されていて、書類が山積みになっていない

右も左も分からないというか、異世界に来た感じでしたね。

 

私は果たして新しい会社でやっていけるのか……

現在について語る前に、次は少し時間を巻き戻して、これまでの社会人生活を振り返ってみたいと思います。

 

墓から出てくるゾンビのイラスト

(ゾンビ映画は偉大です、人の命は儚いと教えてくれました)

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